中国、モンゴル、日本、アジア圏から来た参加者たちと一緒に。ハワイ出身のファシリテーターのアラワナ・ハヤシさんを囲んで。アラワナはわたしのロールモデルの一人になった。
修了証をもらったものの、5日間のセミナーで私が得たものは何だったのかと問われれば、知識でも、スキルでもない。5日間を一緒に過ごした仲間と感じた
・ユニティ=連帯という感覚
・人が協働して何かを生み出すプロセスには、人類共通の何かがあるという感覚
の二つが大きい。
このセミナーにはヨーロッパ、アフリカ、アジア圏から多様なセクターの人たちが参加していた。政府・行政関係者、自然や環境・人権保護に関わるNGO・NPO職員、コンサルティングや組織開発・金融サービスを仕事にするビジネスパーソンたち。同じホテルに寝泊まりし、3食いろんな人と食べ、ティータイムを過ごし、対話し、ワークする。
中国から来た同年代の女性とは、儒教社会における女性への結婚のプレッシャーや痛みについて意気投合し、ご飯をたべるのも忘れて話に熱中した。欧米の女性たちが私たちの話におどろいたり茶々を入れたりしながら、ジェンダーについて考えた。
オープン・スペース・テクノロジーという手法を使い、自由にテーマを出し合い対話する。
最終日には、国や地域や世代やセクターを超えて共通のテーマとしてこんなことを話し合った。
・どんな風にリーダーシップを組織に発揮すれば良いのか
・地球と自然環境のために何ができるのか
・ミレニアルズ世代の燃え尽き症候群をどうしたらいいのか
・今のシステムの中で公務員はどうしたらもっと人々に親切にできるのか
(もっとものすごくいっぱい)
「な〜んだ、みんな一緒なんだ。世界中のあちこちでみんな同じようなことに悩んだりくよくよしたり、トライ&エラーしたりしているんだ!みんな助け合ってがんばってるんだ。わたしの課題は、実はみんなが解決したいと思っている課題、日本の課題は人類共通の課題でもあるんだ!!どうよ!この創発的な議論とみんなの表情!だったら、みんなで進化していける!」
大袈裟かもしれないが、こんなことを本当に本当に感じ、心動かされたのである。
みんなで大きな課題に取り組んでいるユニティ=連帯という感覚。でもその変化は個人の小さな内側ではじまる。その小さな種が芽吹き、同じ志をもった他のひとたちとつながり、うねりを起こし、結晶化し、世の中にインパクトを与えていく。「U理論」は個人の心の変容プロセスでもあり、集団の変容プロセスでもある。もちろんそれは良い方にばかり向かうとは限らない。「不在化→破壊」へと向かうプロセスもまたしっかりと理論化され、どちらかといえば世界のニュースはこの悪い方ばかりうつしているようにも思えてくる。
けれども、私たちが一人一人の内面にしっかりと繋がり、その真の願いを聴くことができた時、そこから創造がはじまる。だれもが創造的になることができる、私がそう確信しているのは内観とU理論の体験が両輪となり、わたしのバックボーンとして支えてくれているからなのである。
(「U理論と内観療法」おわり)
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